相対論 · Singularity Theorems

特異点定理

ペンローズとホーキングが1960年代に証明した、一般相対論において一定の物理的に妥当な条件のもとで時空の特異点が不可避的に生じることを示す一連の定理。十分に強い重力でいったん捕捉面が形成されれば、特異点形成は対称性などの特別な仮定によらず一般的に生じる。重力崩壊によるブラックホール内部の特異点や、宇宙の始まりの特異点の存在を示唆する。

分野
相対論
英語名
Singularity Theorems
主要な貢献者
ロジャー・ペンローズ / スティーヴン・ホーキング

関連エントリ

物理概念宇宙検閲仮説ペンローズが1969年に提唱した、重力崩壊で生じる特異点は必ず事象の地平面に覆われ、外部の観測者からは見えない(裸の特異点は形成されない)とする予想。これが成り立てば、特異点における物理法則の破綻が地平面の外の世界の予測可能性を損なわないことになる。一般相対論の枠内で未証明の重要な未解決問題であり、弱い形と強い形が区別される。物理概念ホログラフィック原理ある空間領域の重力を含む物理は、その領域を囲む境界面の上の自由度(情報)によって完全に記述できるとする原理。ブラックホールのエントロピーが体積ではなく地平面の面積に比例するという事実に着想を得て、トホーフトとサスキンドが提唱した。マルダセナのAdS/CFT対応はこの原理の具体的な実現例とされ、量子重力の有力な手がかりとなっている。物理概念弦理論と宇宙論物質の基本要素を点ではなく一次元的に広がった弦とみなす弦理論を、宇宙の初期や進化の記述に応用する分野。弦理論は重力を量子論的に含みうる候補理論であり、余剰次元やブレーンの動力学を用いて、ビッグバンに代わる宇宙の始まりや、インフレーションの起源、多数の真空からなる景観などが議論される。観測的検証は依然として大きな課題である。