量子重力 · Holographic Principle

ホログラフィック原理

ある空間領域の重力を含む物理は、その領域を囲む境界面の上の自由度(情報)によって完全に記述できるとする原理。ブラックホールのエントロピーが体積ではなく地平面の面積に比例するという事実に着想を得て、トホーフトとサスキンドが提唱した。マルダセナのAdS/CFT対応はこの原理の具体的な実現例とされ、量子重力の有力な手がかりとなっている。

分野
量子重力
英語名
Holographic Principle
主要な貢献者
ヘーラルト・トホーフト / レナード・サスキンド / フアン・マルダセナ

関連エントリ

物理概念弦理論と宇宙論物質の基本要素を点ではなく一次元的に広がった弦とみなす弦理論を、宇宙の初期や進化の記述に応用する分野。弦理論は重力を量子論的に含みうる候補理論であり、余剰次元やブレーンの動力学を用いて、ビッグバンに代わる宇宙の始まりや、インフレーションの起源、多数の真空からなる景観などが議論される。観測的検証は依然として大きな課題である。物理概念ループ量子重力一般相対論を背景時空に依存しない形で正準量子化しようとする量子重力理論。空間そのものがスピンネットワークと呼ばれる離散的な構造からなり、面積や体積が最小単位を持つ量子化された量になると予言する。弦理論と異なり余剰次元や超対称性を前提とせず、時空の幾何そのものの量子化を目指す。初期宇宙の特異点を回避するループ量子宇宙論も研究されている。物理概念マルチバース仮説我々が観測できる宇宙が、より大きな多数の宇宙の集合の一つにすぎないとする考え。永久インフレーションでは膨張が止まらない領域の中に泡のように多数の宇宙が生まれ、弦理論では膨大な数の真空(景観)がそれぞれ異なる物理定数を持つ宇宙に対応しうるとされる。物理定数の微調整を説明する文脈で論じられるが、他の宇宙の直接観測は困難で、検証可能性が議論の的となっている。