ブラックホール · Event Horizon

事象の地平面

ブラックホールにおいて、その内側からは光を含むいかなる情報も外部へ到達できなくなる境界面。地平面の内側で起きた出来事は外部の観測者から原理的に観測不可能となる。静的ブラックホールではシュワルツシルト半径の位置に一致する。地平面そのものは物質的な面ではなく、時空の因果構造によって定義される境界である。2019年に巨大ブラックホールの影が直接撮像された。

分野
ブラックホール
英語名
Event Horizon
主要な貢献者
カール・シュワルツシルト / デヴィッド・フィンケルシュタイン

関連エントリ

物理概念特異点定理ペンローズとホーキングが1960年代に証明した、一般相対論において一定の物理的に妥当な条件のもとで時空の特異点が不可避的に生じることを示す一連の定理。十分に強い重力でいったん捕捉面が形成されれば、特異点形成は対称性などの特別な仮定によらず一般的に生じる。重力崩壊によるブラックホール内部の特異点や、宇宙の始まりの特異点の存在を示唆する。物理概念宇宙検閲仮説ペンローズが1969年に提唱した、重力崩壊で生じる特異点は必ず事象の地平面に覆われ、外部の観測者からは見えない(裸の特異点は形成されない)とする予想。これが成り立てば、特異点における物理法則の破綻が地平面の外の世界の予測可能性を損なわないことになる。一般相対論の枠内で未証明の重要な未解決問題であり、弱い形と強い形が区別される。物理概念ホログラフィック原理ある空間領域の重力を含む物理は、その領域を囲む境界面の上の自由度(情報)によって完全に記述できるとする原理。ブラックホールのエントロピーが体積ではなく地平面の面積に比例するという事実に着想を得て、トホーフトとサスキンドが提唱した。マルダセナのAdS/CFT対応はこの原理の具体的な実現例とされ、量子重力の有力な手がかりとなっている。