ブラックホール · Chandrasekhar Limit

チャンドラセカール限界

白色矮星が自己重力を支えきれる質量の上限で、太陽質量の約1.4倍。白色矮星は電子の縮退圧という量子力学的な圧力で重力に対抗しているが、質量がこの限界を超えると縮退圧では支えきれず、中性子星やブラックホールへの重力崩壊、あるいはIa型超新星爆発に至る。チャンドラセカールが1930年代に相対論的縮退電子気体の理論から導いた。

分野
ブラックホール
英語名
Chandrasekhar Limit
主要な貢献者
スブラマニアン・チャンドラセカール

関連エントリ

物理概念トルマン–オッペンハイマー–ヴォルコフ限界中性子星が自己重力を支えられる質量の上限。中性子の縮退圧と核力でつり合っている中性子星は、質量がこの限界を超えると圧力で重力を支えきれず、ブラックホールへ崩壊する。値は内部の状態方程式に依存し、観測と理論からおおむね太陽質量の約2〜3倍と見積もられる。トルマンの一般相対論的平衡解をもとにオッペンハイマーとヴォルコフが1939年に定式化した。物理概念シュワルツシルト半径ある質量がすべてその内側に収まると、光すら脱出できなくなる半径。回転も電荷も持たない球対称な質量に対する一般相対論の厳密解(シュワルツシルト解)から定まり、質量に比例して 2GM/c² で与えられる。この半径の位置が静的ブラックホールの事象の地平面に対応する。シュワルツシルトが1916年に一般相対論の最初の厳密解として導いた。物理概念事象の地平面ブラックホールにおいて、その内側からは光を含むいかなる情報も外部へ到達できなくなる境界面。地平面の内側で起きた出来事は外部の観測者から原理的に観測不可能となる。静的ブラックホールではシュワルツシルト半径の位置に一致する。地平面そのものは物質的な面ではなく、時空の因果構造によって定義される境界である。2019年に巨大ブラックホールの影が直接撮像された。