熱力学 · Second Law of Thermodynamics

熱力学第二法則

孤立系のエントロピーは決して減少せず、不可逆過程では必ず増大するという法則。熱が低温物体から高温物体へひとりでに移ることはなく、自然現象には向きがあることを表す。熱をすべて仕事に変換する効率100%の熱機関は不可能であり、時間の矢の起源とも結びつく。クラウジウスやケルビンらによって19世紀に定式化された。

分野
熱力学
英語名
Second Law of Thermodynamics
主要な貢献者
ルドルフ・クラウジウス / ウィリアム・トムソン(ケルビン卿) / ルートヴィッヒ・ボルツマン

関連エントリ

物理概念熱力学第三法則系の温度を絶対零度に近づけると、完全な結晶のエントロピーが一定値(理想的にはゼロ)に近づくという法則。これは有限回の操作では絶対零度に到達できないことを意味する。低温における物質の性質や、エントロピーの絶対値を定める基準を与える。ネルンストが熱定理として提唱し、プランクによってより明確な形に整理された。物理概念エントロピー系の状態の乱雑さや、巨視的状態に対応する微視的状態の数を表す物理量。熱力学では可逆過程における熱の出入りを温度で割った量として定義され、統計力学ではボルツマンの関係式により微視的状態数の対数に比例する量として与えられる。孤立系では時間とともに増大する傾向があり、熱力学第二法則と時間の向きを特徴づける中心的な概念である。物理概念ブラックホール熱力学ブラックホールを熱力学的な対象として扱い、その物理量を温度やエントロピーと対応づける理論体系。事象の地平面の面積はエントロピー(ベッケンシュタイン–ホーキングエントロピー)に、表面重力は温度に比例し、地平面面積が減少しない法則は第二法則に対応する。重力・量子論・熱力学を結びつけ、ブラックホールの情報問題の核心をなす。