量子重力 · Quantum Cosmology

量子力学の宇宙論への応用

宇宙全体を一つの量子系とみなし、量子力学の枠組みを宇宙の起源や初期状態に適用しようとする研究分野。一般相対論と量子論を統合する量子重力の試みの一部であり、宇宙の波動関数を扱うホイーラー–ドウィット方程式や、境界条件を持たない無境界仮説などが代表的。宇宙誕生時の特異点や初期ゆらぎの起源を量子論的に説明することを目指す。

分野
量子重力
英語名
Quantum Cosmology
主要な貢献者
ブライス・ドウィット / ジョン・ホイーラー / スティーヴン・ホーキング / ジェームズ・ハートル

関連エントリ

物理概念ホーキング放射ホーキングが1974年に理論的に示した、ブラックホールが量子効果によって熱的な放射を出す現象。事象の地平面近傍の場の量子ゆらぎにより、ブラックホールはその表面重力に比例した温度の黒体放射を行うとされる。これによりブラックホールは質量を失って蒸発しうる。重力・量子論・熱力学を結びつける重要な結果で、ブラックホールの情報問題の出発点ともなった。物理概念ペンローズ過程ペンローズが1969年に提案した、回転するブラックホールから回転エネルギーを取り出す機構。回転するカー・ブラックホールの事象の地平面の外側には、いかなる物体も静止できないエルゴ領域が存在する。この領域内で物体を二つに分裂させ、一方を負のエネルギーを持つ軌道でブラックホールに落とすと、もう一方は入射時より大きなエネルギーを持って脱出でき、正味でエネルギーが取り出される。物理概念チャンドラセカール限界白色矮星が自己重力を支えきれる質量の上限で、太陽質量の約1.4倍。白色矮星は電子の縮退圧という量子力学的な圧力で重力に対抗しているが、質量がこの限界を超えると縮退圧では支えきれず、中性子星やブラックホールへの重力崩壊、あるいはIa型超新星爆発に至る。チャンドラセカールが1930年代に相対論的縮退電子気体の理論から導いた。