宇宙論 · Multiverse Hypothesis

マルチバース仮説

我々が観測できる宇宙が、より大きな多数の宇宙の集合の一つにすぎないとする考え。永久インフレーションでは膨張が止まらない領域の中に泡のように多数の宇宙が生まれ、弦理論では膨大な数の真空(景観)がそれぞれ異なる物理定数を持つ宇宙に対応しうるとされる。物理定数の微調整を説明する文脈で論じられるが、他の宇宙の直接観測は困難で、検証可能性が議論の的となっている。

分野
宇宙論
英語名
Multiverse Hypothesis
主要な貢献者
アンドレイ・リンデ / アラン・グース / ヒュー・エヴェレット

関連エントリ

物理概念人間原理観測される宇宙の性質は、観測者である我々が存在しうるという条件によって制約を受ける、という考え方。物理定数や宇宙の初期条件が生命の存在に都合よく見える「微調整」を、観測者がいる宇宙しか観測されえないという選択効果として論じる。観測事実の解釈にとどめる弱い人間原理と、宇宙はそのように在らねばならないとする強い人間原理が区別される。物理概念フェルミのパラドックス広大で古い宇宙には知的文明が多数存在してもよいはずなのに、その存在の証拠が全く見つからないという矛盾。物理学者フェルミの「みんなどこにいるのか」という問いに由来する。銀河は十分古く、文明が拡散する時間も十分あったはずだという推論と、観測上の沈黙との食い違いを指す。地球外文明の希少性、自滅、検出の困難さなど多様な説明が提案されている。物理概念ドレイク方程式我々の銀河系内で交信可能な地球外文明の数を見積もるための式。恒星の形成率、惑星を持つ割合、生命や知性が生じる確率、文明が交信し続ける期間などの因子の積で表される。ドレイクが1961年に地球外知的生命探査(SETI)の議論を整理するために提案した。各因子の値の不確かさが大きく、答えを一意に与えるより議論の枠組みとしての意義が大きい。